空き家管理、自分で続けるか業者に頼むか。費用で比べる
まず確認したいこと
自分で続けるか業者に頼むかは、金額を並べてから決められます。
遠方の実家の管理を自分で続けるか、業者に頼むか迷っている方へ。自分で通う場合の交通費・時間と、シルバー人材センターや民間業者(ALSOK)の実際の料金を、公的機関・企業の公表情報にもとづいて比較しました。管理を続ける・任せる・見直すの判断材料にしてください。
著者・編集
親の家これから相談室 編集部
確認
株式会社ホームセレクション(親の家・空き家相談窓口)
更新日
2026年7月18日
読了目安
約13分

まず確認すること
今の名義が誰になっているか
家族の中で誰が関わるか
片付け・管理・相続のどれが先か
最後に実家の庭を見に行ったのが、いつだったか思い出せない。
月に一度は通おうと決めていたのに、気づけば3か月が過ぎていた。
近隣の方から「雑草が伸びている」と連絡が来て、慌てて片道1時間半かけて実家に向かう。
そのたびに、交通費と半日以上の時間を使っている。
このまま自分で通い続けるべきなのか、それとも業者に管理を任せるべきなのか。
迷ったまま、判断だけが先延ばしになっていないだろうか。
この記事は、そんな「自分で続けるか、業者に頼むか」の分かれ道に立っている方に向けて書いています。
先に結論をお伝えすると、どちらが正解かは家庭の事情によって違います。
ただ、実際にかかる金額を並べて比べれば、判断の材料は手に入ります。
この記事でわかること
- 自分で管理を続けた場合、実質いくらかかっているかの計算のしかた
- シルバー人材センターに頼む場合の料金の目安(千葉市・柏市・埼玉県宮代町の公表例)
- 民間の空き家管理会社に頼む場合の料金の目安(ALSOKの公表例)
- 続ける・任せる以外に「売る・貸す・保留」という選択肢もあること
この記事の結論
結論からお伝えします。
自分で管理を続けるか、業者に任せるかを比べるとき、多くの方は「業者に頼むと高くつきそう」というイメージだけで判断しています。
しかし、自分で通う場合にも、交通費や時間という見えにくいコストがかかっています。
この記事では、自分で管理する場合、シルバー人材センターに頼む場合、民間の空き家管理会社に頼む場合の金額を、それぞれの公表情報にもとづいて並べます。
どちらが正解というものではありません。
今の負担を数字で見えるようにすることが、この記事の目的です。
売るかどうかを、今すぐ決める必要はありません。
まずは、今の管理に実際いくらかかっているかを書き出すところから始めてください。
なぜ「自分で続けるか、業者に頼むか」で止まりやすいのか
空き家の管理で判断が止まりやすいのは、時間がないからだけではありません。
「業者に頼むといくらかかるのか分からない」という不透明さが、動けない一番の理由になっていることが多くあります。
インターネットで検索しても、業者ごとに料金の出し方が違い、比較しづらいと感じた方もいるはずです。
一方で、自分で通い続けている場合も、実際にいくらかかっているのかを計算したことがある人は多くありません。
交通費、高速代、ガソリン代、駐車場代、そして半日から1日という時間。
これらを数字にしないまま、「自分でやった方が安いはずだ」と思い込んでいるケースも少なくありません。
どちらの選択肢も、金額が見えないまま比べようとすると、判断が止まります。
だからこそ、この記事では実際の金額を先に並べます。
遠方の実家をどう管理するかという判断の全体の流れは、遠方の実家を管理しきれないときの判断順で詳しく整理しています。
まず確認すること3つ
費用を比べる前に、まず確認しておきたいことが3つあります。
1. 今かかっている実質コストを計算したか
自分で通っている場合、電車賃や高速代、ガソリン代、駐車場代を1回分だけでなく、年間の回数分で計算したことがあるでしょうか。
さらに、通うためにかかる半日から1日という時間も、本来は仕事や休息に使えたはずの時間です。
この時間を金額に換算する必要はありませんが、「タダで管理できている」わけではないと認識しておくことが最初の一歩です。
2. 業者に何を任せたいのか
「業者に頼む」といっても、内容は幅があります。
見回りと写真報告だけでよいのか、除草や剪定まで任せたいのか、通水・換気まで含めて防犯面も強化したいのか。
任せたい範囲によって、向いているサービスも金額も変わります。
3. あと何年、この状態を維持するつもりか
管理の悩みは、「いつまで続けるか」を考えずに始めると、際限なく続いてしまいます。
1〜2年のうちに売却や活用も検討したいのか、当面は維持しながら様子を見たいのか。
この見通しによって、月々の管理費をかけてでも維持すべきか、費用をかけずに済ませて早めに売却・活用の検討に進むべきかが変わります。

自分で管理を続けた場合、実際は何にいくらかかっているか
自分で管理を続ける場合、かかる費用は主に交通費と時間です。
たとえば、片道1時間半の距離を月1回、往復の交通費や高速代で3,000円かけて通っているとします。
これはあくまで一例ですが、年12回通えば交通費だけで年間36,000円になります。
これに加えて、除草や剪定を自分で行う場合は、鎌や剪定バサミなどの道具代、ゴミ袋や処分費用もかかります。
さらに、通うための移動時間や作業時間は、半日から1日単位で消費されます。
「自分でやれば無料」ではなく、「自分の時間と交通費を使って管理している」というのが実態です。
まずは、ご自身の交通費(往復運賃・高速代・ガソリン代)に、実際に通っている年間の回数をかけてみてください。
そこに、除草や剪定を依頼した場合の費用を足すと、自分で管理する場合の「見えていなかったコスト」が具体的な金額として見えてきます。
シルバー人材センターに管理を頼む場合の料金
各市区町村のシルバー人材センターでは、空き家の見回りや除草などを比較的安価に依頼できる場合があります。
東葛エリアで公式に料金を確認できた例を紹介します。
千葉市シルバー人材センター(公式)
千葉市シルバー人材センターは、千葉市と空き家等の適正管理に関する協定を結び、「空き家管理安心サポート事業」として見回りサービスを提供しています。
建物外観や破損の確認、雑草・庭木の状況確認、不法侵入や不法投棄の有無の確認、写真撮影と報告書作成をセットにした見回りが1回2,800円(事務費・消費税込み)です。
除草は13,000円〜/人日、清掃等は10,000円〜/人日、植木剪定は18,000円〜/人日が目安として案内されています(出典:公益社団法人 千葉市シルバー人材センター「お受けできるお仕事」、2026年7月確認)。
柏市シルバー人材センター(公式)
柏市シルバー人材センターは、令和8年4月1日から適用の受注単価表を公開しています。
空き家の見回りに近い「管理」の職群は時間単価1,254円〜、除草は手刈りで時間単価1,320円〜、機械刈りで時間単価1,650円〜が目安です(出典:公益社団法人 柏市シルバー人材センター「各料金表」、2026年7月確認)。
柏市シルバー人材センターは柏市と空家等の適正な管理の推進に関する協定を締結しており、具体的な作業内容や見積もりは個別の相談が必要です。
松戸市シルバー人材センターの状況
松戸市シルバー人材センターも植木の剪定や除草などの作業を受け付けていますが、空き家見回りに特化した料金表は公式サイト上で確認できませんでした。
松戸市に親の家がある方は、まず松戸市シルバー人材センターに直接問い合わせて、対応可否と料金を確認することをおすすめします。
参考例:埼玉県宮代町シルバー人材センター(公式)
東葛エリアではありませんが、参考として、埼玉県宮代町シルバー人材センターの公表例を紹介します。
宮代町では、年6回の見回りで18,180円、除草は1日当たり単価8,344円(別途事務費12%+材料費)、樹木の伐採・剪定・小修繕等は1日当たり単価10,010円(同)が案内されています(出典:埼玉県宮代町「空き家の管理は、宮代町シルバー人材センターにご相談ください」、2026年7月確認)。
市区町村やセンターによって料金体系はさまざまなため、金額は目安として、実際の依頼時は各センターへの確認が必要です。
民間の空き家管理会社に頼む場合の料金
民間の空き家管理会社は、防犯設備や緊急時の駆けつけまで含めた月額プランを提供していることが多いです。
代表例として、警備会社ALSOKの「るすたくサービス」を紹介します。
基本サービス(月1回の見回り、月1回の投函物整頓)は月額7,700円(税込)です。
ホームセキュリティを追加した「るすたくセキュリティパック」は月額11,000円(税込)で、不審者の侵入があった場合に警備員が駆けつけるオプションが加わります。
さらに換気サービス(窓の開放による換気、蛇口の通水、建物内外の目視確認を月1回実施)を加えると、月額18,700円(税込)です(出典:ALSOK「HOME ALSOK るすたくサービス(空き家管理・留守宅管理サービス)」、2026年7月確認)。
シルバー人材センターとの違いは、防犯設備や緊急時の駆けつけまでを月額の定額サービスとして受けられる点です。
一方、除草や剪定など個別の作業は、シルバー人材センターの方が単発で依頼しやすい傾向があります。
費用を並べて比較する
ここまでの金額を、実際に比べやすいように一覧にします。
管理の方法 | 頻度の目安 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
自分で通う | 月1回程度 | 交通費(例:往復3,000円)×年間回数+除草等の道具代・処分費 | 費用は抑えやすいが、交通費・時間の負担が続く |
シルバー人材センター(千葉市の例) | 依頼した回数分 | 見回り1回2,800円、除草13,000円〜/人日 | 単発で依頼しやすく、地域の団体という安心感がある |
シルバー人材センター(柏市の例) | 依頼した時間分 | 管理(時間)1,254円〜、除草(手刈)1,320円〜 | 時間単価制。作業内容ごとに見積もりが必要 |
民間の空き家管理会社(ALSOKの例) | 月1回〜 | 月額7,700円〜18,700円(税込) | 防犯設備・緊急駆けつけまで含む定額プラン |
この表からわかるのは、「業者に頼む=高い」と単純に言い切れないということです。
シルバー人材センターの見回りは1回あたり数千円で依頼でき、自分で毎月通う交通費とそれほど変わらない場合もあります。
一方、防犯設備や緊急時の駆けつけまで求めるなら、月額の定額プランの方が安心感は高くなります。
大切なのは、金額だけでなく、何を任せたいのかとセットで比べることです。

今すぐ決めなくていいこと
- 自分で続けるか業者に頼むかを、今日決めること
- どの業者にするかを1社に絞ること
- 家を売るか貸すか、最終的な結論を出すこと
- 家族全員の同意を先にそろえること
- 今の管理をすべてやめること
今の段階で決めなくてよいのは、「これから先の全部」です。
まず決めたいのは、今の管理に実際いくらかかっているかを把握することだけです。
売る・貸す・管理・保留をどう考えるか
管理費用の比較は、あくまで「今の状態を維持する場合」の話です。
実家の選択肢は、管理を続けることだけではありません。
選択肢 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
管理を続ける(自分または業者) | まだ手放す判断をしたくない、将来住む可能性がある | 管理費用が継続してかかる |
貸す | 立地や建物の状態に活用余地がある | 修繕費や入居者対応が必要になる場合がある |
売る | 今後住む予定がなく、管理負担を減らしたい | 名義・片付け・家族合意の確認が必要 |
保留する | 家族の話し合いや親の意向を待ちたい | 保留中の管理方法と見直し時期を決めておく |
「管理を続けるか、業者に頼むか」という今回のテーマは、実はこの4択のうち「管理を続ける」を選んだ場合の、さらに一段階先の話です。
管理費用を計算してみて、「これを何年も続けるのは負担が大きい」と感じたなら、売る・貸す・保留も含めて比較する段階に来ているのかもしれません。
遠方の空き家について、売却や活用を考える際に確認したいことは、遠方の空き家、今確認することで整理しています。
売るか残すか自体で迷っている場合は、親の家を売るか残すか迷ったときの考え方も参考にしてください。

松戸・柏など東葛エリアの「通えなくはない距離」という罠
松戸・柏・流山・市川・船橋・鎌ケ谷・我孫子・野田は、常磐線や東武野田線などで都心から1時間前後、遠くても1時間半ほどの距離です。
「行けなくはない距離」だからこそ、「まだ自分で通えている」と抱え込みやすい距離感でもあります。
完全な遠方であれば早い段階で業者や親族に管理を任せる決断をする方も、東葛エリアのように通える距離だと、自分で続ける選択を長く取りがちです。
しかし、月1回の往復にかかる交通費と時間を年間で計算すると、業者に依頼する場合の費用と大きく変わらないことも珍しくありません。
千葉県が公表している令和5年住宅・土地統計調査によると、松戸市の空き家数は3万7,370戸(空き家率14.0%)、柏市は2万1,310戸(同9.9%)です(出典:千葉県「令和5年住宅・土地統計調査 確報集計結果」、2026年7月確認)。
地域 | 空き家数 | 空き家率 |
|---|---|---|
松戸市 | 3万7,370戸 | 14.0% |
柏市 | 2万1,310戸 | 9.9% |
流山市 | 9,260戸 | 9.6% |
市川市 | 2万6,640戸 | 9.9% |
船橋市 | 3万3,700戸 | 10.3% |
我孫子市 | 5,880戸 | 9.3% |
野田市 | 1万970戸 | 14.4% |
鎌ケ谷市 | 4,430戸 | 8.4% |
いずれの市も空き家は身近な存在であり、管理の悩みを抱えている家庭は少なくありません。
東葛エリア各市の補助金や相談窓口をまとめた記事として、東葛エリアの空き家、市ごとの補助金・解体助成・相談窓口まとめもあわせてご覧ください。
また、松戸市は空家等対策計画の中で、空家化の予防や適切な管理の促進を柱の一つに掲げています(出典:松戸市「松戸市空家等対策計画」、2026年7月確認)。
家族に共有するなら、この3点だけ
- 自分で通う場合の交通費と時間、業者に頼む場合の料金を、実際の金額で比べてみたこと
- 今すぐ結論を出す話ではなく、続けるための負担を見直す話であること
- 管理を続ける以外にも、貸す・売る・保留という選択肢があること
家族に共有するときは、「もう管理は無理だから売りたい」と切り出すのではなく、「今の管理にかかっている費用と時間を計算してみた」という話から始めると、受け止めてもらいやすくなります。
このような状態でも相談できます
- 自分で通い続けているが、負担を感じ始めている
- 業者に頼みたいが、どこに何を頼めばよいかわからない
- 片付け前
- 相続前
- 家族未相談
- 遠方の実家
- 売るか迷っている
- 管理は続けたいが、将来的な選択肢も知っておきたい
親の家これから相談室は、売ることを前提にした窓口ではありません。
今の管理の負担を整理し、続ける・任せる・見直すの判断材料をそろえるところから相談できます。
相談前チェックリスト
- 親の家の所在地
- 戸建て、マンション、土地などの種類
- 今の管理方法(自分で通っている、業者に依頼している、していない)
- 直近1年間で実家に通った回数と、かかった交通費のおおよその合計
- 除草や剪定など、外部に依頼したことがあるか
- 家族で管理費用について話しているか
- 売る・貸す・管理・保留のどれが気になっているか
- まだ売る気はないが、先に整理したいのか
すべて埋まっていなくても大丈夫です。
わかる範囲で構いませんので、今の状況を整理してみてください。
まとめ
自分で管理を続けるか、業者に頼むか。
この判断は、イメージではなく、実際の金額を並べてから決めることができます。
自分で通う場合の交通費と時間、シルバー人材センターの単発料金、民間の空き家管理会社の月額料金。
それぞれの目安を知ったうえで、今の負担に見合っているかを確認してみてください。
そのうえで、管理を続けること自体が重荷になっているなら、売る・貸す・保留も含めて選択肢を広げて考えることもできます。
自分で続けるか業者に頼むかを決める前に、今の負担を整理する。
今すぐ売る必要はありません。
まずは30秒で、親の家の状況を整理してみませんか。
家族に共有するなら、この3点だけ
この記事の要点は、次の3つです。
- いきなり売るかどうかを決める必要はない
- 片付け・相続・管理の順番を先に整理する
- 家族で話す前に、現状と選択肢をそろえると進めやすい
相談前に確認しておくとよいこと
よくある質問
Q.空き家管理を自分で続けるのと業者に頼むのでは、結局どちらが安いですか?
Q.シルバー人材センターと民間の空き家管理会社は何が違いますか?
Q.空き家の管理を、途中で自分から業者に切り替えることはできますか?
Q.管理を続けるか売却するか、まだ決めていなくても相談できますか?
Q.空き家の管理を怠ると、税金が上がることはありますか?
このような状態でも相談できます
運営について
親の家これから相談室は、株式会社ホームセレクションが運営しています。 親の家、実家、空き家について、今の状況からお気軽にご相談いただけます。 ご相談内容に応じて、必要な専門家や連携先と一緒に整理します。
宅地建物取引業免許:東京都知事免許(5)第79988号
運営会社情報を見る親の家のこと、まだ決めきれなくても大丈夫です。
売るかどうかを今決める必要はありません。片付け、相続、家族相談、管理負担のことから、まず今の状況を整理できます。
30秒で親の家の状況整理何も決まっていない段階でも、相談だけでも大丈夫です。
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