実家の仏壇・遺品・思い出の品を、片付けの前にどう考えるか
まず確認したいこと
仏壇や遺品の整理が終わっていなくても、実家の相談はできます。
仏壇や遺品、思い出の品の扱いに悩んで実家の片付けが止まっている場合、無理に今すぐ処分を決める必要はありません。魂抜きの費用相場や遺品整理業者を選ぶときの注意点、相続財産としての扱いを公的情報とあわせて整理し、片付け前でも相談できる理由を解説します。
著者・編集
親の家これから相談室 編集部
確認
株式会社ホームセレクション(親の家・空き家相談窓口)
更新日
2026年7月14日
読了目安
約13分

まず確認すること
今の名義が誰になっているか
家族の中で誰が関わるか
片付け・管理・相続のどれが先か
四十九日の法要が終わり、実家の茶の間でお茶を飲んでいたとき、弟から「仏壇、どうするの」と聞かれた。
とっさに答えが出てこなかった。
片付けなければいけない部屋はいくつもあるのに、仏壇の前だけは、なぜか誰も手をつけずに素通りしていた。
位牌、遺影、古いアルバム、着物、手紙の束。
「片付け」という言葉でひとまとめにするには、重さが違うものが実家には残っています。
結論からお伝えします。
仏壇・遺品・思い出の品は、家全体の片付けと同じペースで進める必要はありません。
「処分するか残すか」を今すぐ決めなくても、実家の相談は始められます。
この記事では、仏壇を手放す際の一般的な流れと費用の目安、遺品を「残す・供養して手放す・保留する」に分けて考える方法、思い出の品を片付けの外に置いてよい理由を、公的な情報と合わせて整理します。
なぜ仏壇・遺品・思い出の品だけ手が止まるのか
家財道具や粗大ごみは、要る・要らないで判断できます。
しかし仏壇や遺品、写真や手紙には、判断基準が別にあります。
「捨てる」という言葉を使うことへの抵抗感です。
仏壇には位牌や故人の魂が宿っているという感覚があり、遺品には持ち主だった人の時間そのものが残っています。
片付け全体の中で、この領域だけ「保留」のまま止まっている家庭は珍しくありません。
止まっていること自体は、悪いことではありません。
むしろ、量で判断できないものを一括りにせず、立ち止まっているだけとも言えます。
「片付け」と「弔い」は別の作業
実家の片付けは、不要品の整理という物理的な作業として語られがちです。
ですが仏壇や遺品の整理には、故人を送る「弔い」の側面が重なっています。
この二つを同じスケジュールで進めようとすると、無理が生じます。
先に部屋の片付けを進め、仏壇や遺品は家族の心の準備が整ってから、と分けて考えても問題はありません。
まず確認したいこと3つ
仏壇・遺品・思い出の品について、最初に確認しておきたいのは次の3つです。
- 仏壇の中に、位牌・過去帳・重要書類が一緒に保管されていないか
- 祭祀(さいし)を引き継ぐ人が家族の中で決まっているか、決まっていないか
- 「今すぐ処分するもの」「供養してから手放すもの」「まだ判断しないもの」に分けられているか
3つとも、今日中に結論を出す必要はありません。
確認するだけで、次に何を家族と話せばよいかが見えてきます。
仏壇は「処分」ではなく「区切りをつける」ものとして考える
仏壇を手放すとき、多くの方が気にするのが「魂抜き(閉眼供養)」です。
魂抜きとは、仏壇や位牌に宿るとされる故人の魂やご本尊の性根を抜き、単なる「物」に戻してもらうための儀式です。
菩提寺がある場合は、まず菩提寺に相談するのが基本の流れになります。
菩提寺がない、または遠方にある場合は、僧侶手配サービスや仏壇店が窓口になっているケースもあります。
お布施の相場は、供養関連の事業者情報によると1万円から5万円程度とされ、お車代を含めて3万5千円前後を目安に案内している例もあります(業者サイト等の情報にもとづく目安であり、金額は寺院や地域、関係性によって幅があります)。
魂抜きをせずに手放してもよいのか
魂抜きをしなければ処分できない、という法律上の決まりはありません。
ただし、多くの仏壇店や自治体では「魂抜きを済ませてから引き取り・持ち込みをしてほしい」と案内しているのが実情です。
気持ちの整理という意味でも、魂抜きという区切りを挟むかどうかは、家族で話し合って決めてよい部分です。
仏壇を手放す方法別の費用目安
仏壇を手放す方法には、主に4つがあります。
費用と特徴を整理すると、下記のようになります。
方法 | 費用目安 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
自治体の粗大ごみ | 数百円〜数千円程度(松戸市は処理券1枚1,000円) | 魂抜きは別途自分で手配する必要がある |
仏壇店・仏具店への引き取り依頼 | 1万5千円〜8万円程度 | 新しい仏壇の購入とセットの場合、引き取りが安くなることもある |
不用品回収業者 | 2万5千円〜7万円程度 | 一般廃棄物収集運搬業の許可の有無を必ず確認する |
菩提寺への相談 | お布施として1万円〜5万円程度 | 魂抜きと引き取りをまとめて相談できる場合がある |
金額はいずれも仏壇の大きさや地域、業者によって幅があるため、業者サイト等の情報にもとづく目安として捉えてください。
松戸市の場合、粗大ごみとして出す際は「粗大ごみ受付センター」(電話047-391-0007)へ事前予約のうえ、1点につき1,000円の粗大ごみ処理券を購入して出す仕組みです(松戸市「粗大ごみ」、2026年7月12日確認)。
松戸市リサイクルセンターへ自分で持ち込む場合は、1キログラムあたり17.6円で、20キログラム未満は一律352円です(同上)。
お住まいの市区町村によって金額や手順は異なるため、実際に出す前に自治体の案内を確認することをおすすめします。

遺品は「残す・供養して手放す・保留する」の3つに分けて考える
遺品整理というと、「全部を一気に仕分けて処分する」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
ですが、最初から二択(残す・処分する)で考えると、判断が止まりやすくなります。
おすすめは、次の3分類です。
- 残す:重要書類、権利証、通帳、印鑑、貴金属など、確実に必要なもの
- 供養して手放す:人形、位牌、写真など、そのまま捨てることに抵抗があるもの
- 保留する:今は判断がつかないもの。期限を決めずに一旦別の場所へまとめておく
「保留」を作ってよい、というのがこの分類の要点です。
片付け全体を止めてしまうくらいなら、判断できないものは一箇所にまとめて先送りにしたほうが、作業は前に進みます。

人形・ぬいぐるみ・写真の供養
人形やぬいぐるみ、写真など「顔があるもの」「表情があるもの」は、そのままごみに出すことへの抵抗が強い遺品の代表です。
人形供養やお焚き上げに対応している寺社や仏壇店もあります。
費用は数千円程度から依頼できる場合が多いとされていますが、点数や大きさによって変わるため、依頼前に見積もりを確認してください。
思い出の品(写真・手紙・アルバム)は片付けの外に置いてよい
写真、手紙、卒業証書、子どもの頃の作品など、「思い出の品」は仏壇や遺品ともまた性質が異なります。
これらは処分するかどうかの判断が最も難しいカテゴリーです。
無理にその場で結論を出さず、次の2つの対応で先に進めることもできます。
1つ目は、家全体の片付けの進行から思い出の品だけを切り離し、別の段ボールにまとめておくことです。
2つ目は、量が多い場合にデジタル化(写真のスキャン、アルバムの撮影保存)を検討することです。
デジタル化すれば、現物を手放しても記録として残せるため、判断のハードルが下がる場合があります。
どちらの対応も、「今すぐ全部を仕分けなければならない」という前提を外すことが目的です。
写真だけ撮っておいて、現物は手放すという選択
思い出の品すべてをデジタル化する時間がない場合は、現物を1枚だけ写真に撮り、記録として残す方法もあります。
「捨てた」ではなく「記録して手放した」という感覚に変わるだけで、気持ちの負担が軽くなることがあります。
スキャンや撮影の作業自体を、片付け業者や写真整理の専門業者に依頼できる場合もあるため、量が多いときは無理に自分だけで抱え込む必要はありません。
遺品整理業者に依頼するときに確認しておきたいこと
遺品整理を業者に依頼する場合、確認しておきたいポイントがあります。
まず、家庭から出る不用品を収集・運搬できるのは、市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可を持つ業者、または市区町村の委託を受けた業者に限られます。
環境省は、無許可の業者に廃棄物の処分を依頼すると不法投棄や不適正処理につながる事例があるとして、注意を呼びかけています(環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください」、2026年7月12日確認)。
「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」だけでは、家庭の不用品を収集することはできません(同上)。
国民生活センターにも、遺品整理サービスに関する相談が継続的に寄せられています。
2013年度から2017年度の相談件数は、73件、109件、90件、114件、105件と推移しており、追加料金の発生や、残しておくはずだった遺品を誤って処分されるといった内容が目立つとされています(国民生活センター「『遺品はどれもこれも大切』高齢者宅からの遺品整理サービスの契約トラブルに関する相談が発生しています」、2026年7月12日確認)。
依頼前にチェックしたい3点
業者へ依頼する前に、次の3点は必ず確認してください。
一般廃棄物処理業の許可(または市区町村の委託)を持っているかどうかです。
見積書に作業内容と料金の内訳が明記されているかどうかです。
「残すもの」と「処分するもの」を、作業当日までに家族側で仕分けておけるかどうかです。
この3点を押さえるだけで、追加請求や誤処分といったトラブルの多くは避けやすくなります。
仏壇・仏具・位牌は相続財産としてどう扱われるのか
「仏壇にも相続税がかかるのでは」と心配する方もいますが、日常的に礼拝している仏壇・仏具については、相続税がかからない財産とされています。
国税庁は、墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物について、相続税の課税対象にならないと案内しています(国税庁「No.4108 相続税がかからない財産」、2026年7月12日確認)。
ただし、骨とう的価値があるものや、投資・商品として所有しているものは対象外で、相続税がかかるとされています(同上)。
また、仏壇・位牌・墓地などは法律上「祭祀(さいし)財産」と呼ばれ、通常の相続財産とは別の扱いを受けます。
民法897条では、系譜・祭具・墳墓の所有権は、被相続人の指定があればその人が、指定がなければ慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継し、慣習が明らかでない場合は家庭裁判所が承継者を定めると規定されています(e-Gov法令検索「民法」第897条、2026年7月12日確認)。
誰が仏壇を引き継ぐかは、遺産分割協議とは別に決められる話だということです。
この点は税務・法務にまたがる判断のため、実際に相続税申告が必要になりそうな場合や、祭祀承継でもめそうな場合は、税理士・司法書士など専門家に確認することをおすすめします。
相続の名義や親の意向をまだ確認できていない場合は、相続前に親の家のことで確認しておきたいことも参考になります。
松戸・東葛エリアで仏壇・大型遺品を手放すときの実務
松戸・柏・流山・市川・船橋・鎌ケ谷・我孫子・野田など東葛エリアでは、粗大ごみの申し込み方法や処理券の価格が市区町村ごとに異なります。
実家が遠方にあり、片付けのために何度も現地へ通えない場合、粗大ごみの収集日と自分の帰省日程を合わせる調整だけでも負担になります。
その場合は、粗大ごみとして自分で出す前に、地域の遺品整理・不用品回収に対応する業者へまとめて依頼するという選択肢も含めて検討したほうが、結果的に現地滞在の回数を減らせることがあります。
片付け・遺品整理・解体をどの順番で進めるかで迷う場合は、東葛エリアの実家じまい、地域の片付け・遺品整理・解体の進め方もあわせて参考にしてください。
総務省の調査にもとづく千葉県の集計では、全国の空き家数は900万2千戸、空き家率は13.8%(令和5年時点)とされ、松戸市は空き家数3万7,370戸・空き家率14.0%と、全国平均をやや上回る水準にあります(千葉県統計課「令和5年住宅・土地統計調査 確報集計結果」、2026年7月12日確認)。
片付けが終わっていない家がそれだけ多いという裏返しでもあり、仏壇や遺品の整理が終わっていないことを引け目に感じる必要はありません。
松戸・柏・市川など古くからの住宅地では、仏壇のサイズが大きい家も多く、粗大ごみとして出す際に「一辺が50センチを超えるかどうか」で区分が変わる自治体もあります。
持ち出しが難しい場合は、家の外まで運び出す作業だけをシルバー人材センターや不用品回収の作業員に依頼し、収集・処分は自治体のルールに沿って別に手配するという分担もできます。
今すぐ決めなくていいこと
ここまで読んで、「結局、今何を決めればいいのか」と感じた方もいるかもしれません。
今すぐ決めなくていいことを、あらためて整理します。
仏壇を処分するか残すかは、今日決めなくて大丈夫です。
遺品をすべて仕分け終えることも、今月中に終わらせる必要はありません。
思い出の品を捨てるか残すかも、家族全員の気持ちが揃うまで保留にしてよい判断です。
決めなければいけないのは、「今は判断しない」と決めることだけ、という場合もあります。
家族で共有しておきたい3点
仏壇・遺品・思い出の品について、家族で話す機会があれば、次の3点を共有しておくと後の負担が減ります。
- 仏壇の中や周辺に、重要書類や通帳が保管されていないか
- 祭祀を引き継ぐ意思がある人が、家族の中にいるかどうか
- 「今すぐ処分してよいもの」と「保留にしたいもの」の境界線
この3点さえ揃っていれば、実際の作業は誰か一人が担ってもよいですし、業者に相談する際の材料にもなります。

片付け前・相続前・家族未相談でも相談できます
「仏壇や遺品の整理が終わっていないので、相談するのはまだ早い」と考える方は少なくありません。
ですが、片付けが終わっていない状態でも、相続の名義が整理できていない状態でも、家族にまだ話していない状態でも、親の家これから相談室では相談を受け付けています。
仏壇や遺品をどうするかを先に全部決めてから相談する必要はありません。
むしろ、判断に迷っている部分を先に整理することで、家族に話す材料が見えてくることもあります。
売却を前提にした相談である必要もありません。
売る・貸す・管理・保留のどれを選ぶとしても、仏壇や遺品の扱いとは切り離して、まず状況だけ整理することができます。
荷物や仏壇が残ったままの実家でも相談してよい理由は、片付けが終わらない実家でも相談してよい理由でも詳しく説明しています。
相談前チェックリスト
相談前に、次の項目をできる範囲で確認しておくと、話がスムーズに進みます。
確認項目 | 今の状況 |
|---|---|
仏壇の中に重要書類・通帳が保管されていないか | 確認済み/未確認 |
祭祀を引き継ぐ人が決まっているか | 決まっている/決まっていない |
「残す・供養して手放す・保留」の3分類ができているか | できている/未着手 |
思い出の品を家全体の片付けと切り離せているか | 切り離せている/一緒になっている |
家族内で仏壇・遺品の話をしたことがあるか | ある/まだない |
すべて「未確認」「まだない」でも問題ありません。
むしろ、その状態を整理するために相談する、という順番で構いません。
まとめ
仏壇・遺品・思い出の品は、実家の片付けの中でも特に判断が難しい領域です。
処分するかどうかを急いで決める必要はなく、「残す・供養して手放す・保留する」の3分類で考えるだけでも、気持ちの負担は軽くなります。
魂抜きの費用や仏壇の手放し方、遺品整理業者との付き合い方には、公的な情報として確認できる目安があります。
仏壇や遺品の整理が終わっていなくても、実家全体のことは相談できます。
まずは仏壇や遺品を片付ける前の状態のまま、今の状況だけ整理することから始めてみてください。
松戸・東葛の親の家について、片付け前の状態でも大丈夫か確認したい方は、松戸・東葛の親の家相談についてから、30秒で親の家の状況整理を試してみてください。
家族に共有するなら、この3点だけ
この記事の要点は、次の3つです。
- いきなり売るかどうかを決める必要はない
- 片付け・相続・管理の順番を先に整理する
- 家族で話す前に、現状と選択肢をそろえると進めやすい
相談前に確認しておくとよいこと
よくある質問
Q.仏壇の魂抜きをしないまま処分してもよいですか?
Q.遺品整理業者を選ぶとき、何を確認すればよいですか?
Q.仏壇や仏具にも相続税はかかりますか?
Q.誰が仏壇を引き継ぐかは、遺産分割協議で決めるのですか?
Q.仏壇や遺品の整理が終わっていなくても、実家の相談はできますか?
このような状態でも相談できます
運営について
親の家これから相談室は、株式会社ホームセレクションが運営しています。 親の家、実家、空き家について、今の状況からお気軽にご相談いただけます。 ご相談内容に応じて、必要な専門家や連携先と一緒に整理します。
宅地建物取引業免許:東京都知事免許(5)第79988号
運営会社情報を見る親の家のこと、まだ決めきれなくても大丈夫です。
売るかどうかを今決める必要はありません。片付け、相続、家族相談、管理負担のことから、まず今の状況を整理できます。
30秒で親の家の状況整理何も決まっていない段階でも、相談だけでも大丈夫です。
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