柏市の実家、空き家相談員・空き家バンクの活かし方
まず確認したいこと
売ると決めていなくても、柏市の公的な窓口は使えます。
柏市に親の家がある方へ。柏市には、専門家に初回無料で相談できる空家相談員制度と、空き家バンク「カシニワ」という公的な窓口があります。売ると決めていなくても、片付け前でも使えます。この記事では二つの制度の中身と、相談前にそろえておきたい情報を整理して、次の一歩を具体的にします。
著者・編集
親の家これから相談室 編集部
確認
株式会社ホームセレクション(親の家・空き家相談窓口)
更新日
2026年7月3日
読了目安
約14分

まず確認すること
今の名義が誰になっているか
家族の中で誰が関わるか
片付け・管理・相続のどれが先か
「柏市には、空き家について無料で相談できる制度があるらしい」。
そう聞いて市のホームページを開いたものの、「空家相談員制度」「カシニワ」といった言葉が並び、自分の実家の場合はどこから使えばいいのか分からずに、そっとページを閉じた——。
柏市に親の家がある方から、こうした声をよくうかがいます。
柏市には、所有者が無料で専門家に相談できる空家相談員制度と、空き家・空き地の情報をのせるカシニワ(空き家バンク)という、二つの公的な仕組みがあります。
どちらも「今すぐ売る人」のためだけのものではありません。
売るか決めていない段階でも、片付けが終わっていなくても、状況を整理するために使える窓口です。
この記事では、柏市の空家相談員と空き家バンクを「売る前の整理」にどう活かすか、制度の中身と、相談する前に自分でそろえておきたい情報を順番に整理します。
結論:柏市の空家相談員と空き家バンクは「売る前の整理」に使える
先に結論をお伝えします。
柏市の空家相談員制度は、司法書士・建築士・宅地建物取引士といった専門家に、初回無料で相談できる公的な制度です。
空き家バンク(カシニワ)は、売却だけでなく、貸す・地域で活用するといった出口も含めて、空き家の情報を市の仕組みにのせられる場です。
つまり柏市の公的な仕組みは、「早く売りましょう」と迫るものではなく、選択肢を並べて考えるための入口として使えます。
ですから、まだ売ると決めていなくても、相続の手続きが途中でも、これらの窓口に相談して大丈夫です。
ただし、相談の時間を活かすには、先に手元の情報を少しそろえておくことが役立ちます。
次の章で、相談前にそろえておきたい3つのことから見ていきます。

まず確認したい3つのこと(相談員に相談する前に)
柏市の空家相談員は、初回は1回のみ無料です。
限られた時間を活かすには、相談の前に手元の情報を整理しておくと、話が具体的になります。
柏市の実家について、まず次の3つを確認してみてください。
1. 家の名義が誰になっているか
その家の登記上の名義が、親のままか、すでに相続で複数人の共有になっているかを確認します。
名義は、法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取れば分かります。
登記事項証明書は、窓口で1通600円、オンライン請求だと480〜500円で取得できます(参照元: 法務局「登記手数料について」、2026年7月2日確認)。
名義が誰なのかによって、相談すべき専門家(司法書士か、宅地建物取引士か)が変わってきます。
2. 家と土地が、いまどういう状態か
建物の築年数、雨漏りや傾きの有無、前面道路の広さ、駅からの距離を、分かる範囲でメモします。
正確な数字でなくてもかまいません。
「昭和50年ごろに建てた木造」「駅までバスで15分」といった大まかな情報でも、建築士や宅地建物取引士が判断する材料になります。
3. 家族の中で、誰がどう考えているか
兄弟姉妹や親の意向を、いま分かる範囲で書き出します。
「弟は関わりたくなさそう」「母はまだ手放したくない」といった温度感で十分です。
家族の考えがそろっていない段階でも、相談してかまいません。
むしろ、家族に話す前に情報を整理しておくほうが、あとで話し合いがこじれにくくなります。
柏市空家相談員制度とは(初回無料で専門家に相談できる公的制度)
柏市空家相談員制度は、柏市内に空き家を持つ人などが、活用や適正管理について専門家「空家相談員」に無料で相談できる制度です。
この制度は2019年(平成31年)2月に始まりました。
千葉県弁護士会や不動産関係団体、建築関係団体など5つの専門団体から推薦された専門家が、相談員として登録されています(参照元: 柏市「柏市空家相談員制度」、2026年7月2日確認)。
相談できる専門家と、無料の時間
相談は、専門家ごとに初回1回のみ無料です。
柏市の案内では、司法書士は30分、建築士と宅地建物取引士は1時間が、それぞれ無料相談の目安とされています(参照元: 柏市「柏市空家相談員制度」、2026年7月2日確認)。
相談できる内容の例としては、活用方法、賃貸や売却、改修工事、安全対策、登記などがあります。
相談の流れ
まず、柏市役所の都市部住宅政策課(電話 04-7167-1147)に相談を申し込みます。
次に、相談員の一覧から相談したい専門家を選び、申込書と情報提供の同意書を提出します。
その後、市から相談員へ情報が伝わり、選んだ相談員の事務所などで相談日を調整するという流れです(参照元: 柏市「柏市空家相談員制度」、2026年7月2日確認)。
最新の受付方法や必要書類は変わることがあるため、申し込みの前に窓口へ確認してください。
相談員制度で「できること・できないこと」
この制度は、専門家に一度、無料で相談できる入口です。
登記や売買の実際の手続きそのものを、無料の枠の中ですべて代行してもらえるわけではありません。
「まず何から手をつければいいか」「うちの家はどの専門家に相談すべきか」を整理する場、と考えると期待値がずれません。
相談の結果、実際の手続きが必要になった場合は、あらためて費用や依頼の条件を確認したうえで進めることになります。

柏市の空き家バンク「カシニワ」の活かし方
柏市には、空き家や空き地の情報をのせる「カシニワ」という仕組みがあります。
カシニワは、もともと2010年に、身近な空き地を地域の庭として活かす取り組みとして始まりました。
それが「カシニワ・おうち」などへと広がり、空き家の活用も応援する仕組みになっています(参照元: 柏市「カシニワ制度」、2026年7月2日確認)。
売る以外の出口も含めて考えられる
カシニワにのる空き家は、貸したい人と借りたい人の意向が合えば、地域の図書館や子ども食堂、オープンガーデンなど、さまざまな使い方につながる可能性があります(参照元: 柏市「空き家(物件情報)|カシニワ制度」、2026年7月2日確認)。
売却だけが空き家の出口ではありません。
「まだ手放したくないが、空き家のままにもしておけない」という段階の家にとって、貸す・地域で使ってもらうという選択肢を検討する場になります。
登録や利用の相談先
カシニワへの登録や利用の方法も、都市部住宅政策課(電話 04-7167-1147)が窓口です。
相談員制度と同じ課が担当しているため、「専門家にも相談したいし、活用先も探したい」という場合は、まとめて窓口で聞くとスムーズです。
数字で見る柏市の空き家
柏市の空き家の状況を、公的な統計で確認しておきます。
総務省の令和5年(2023年)住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最多・過去最高となりました。
同じ調査での千葉県と柏市の数字は、次のとおりです。
地域 | 空き家数 | 空き家率 |
|---|---|---|
全国 | 900万2千戸 | 13.8% |
千葉県 | 39万4,100戸 | 12.3% |
柏市 | 2万1,310戸 | 9.9% |
出典: 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」、千葉県「令和5年住宅・土地統計調査 確報集計結果」(いずれも2026年7月2日確認)。
柏市の空き家率9.9%は、県平均や全国より低い水準です。
ただし、これは「柏の空き家は問題が小さい」という意味ではありません。
柏市が2022年度(令和4年度)に行った実態調査では、市内の空き家は1,739戸把握されています(参照元: 柏市「柏市空家等対策計画」、2026年7月2日確認)。
また、令和5年の住宅・土地統計調査では、賃貸用・売却用・二次的住宅を除いた空き家(いわゆる長期不在の空き家)が、柏市で4,970戸とされています。
市が現地で数える棟数と、統計調査で推計する戸数は数え方が違うため、単純に比較はできません。
大切なのは、柏でも一定数の家が「使われないまま」になっており、その一戸として自分の実家があるかもしれない、という点です。
相続した柏の実家、売る前に整理する選択肢
相続した、あるいはこれから相続する柏の実家について、選択肢は「売る」と「そのまま」の二つだけではありません。
大きく分けると、売る・貸す・管理する・保留する(今は決めない)の4つがあります。
それぞれの向き・不向きを整理すると、次のようになります。
選択肢 | 向いているケース | 注意しておくこと |
|---|---|---|
売る | 維持の負担が重い/家族の合意ができている | 片付け・名義・税金の確認が先。急いで安く手放さない |
貸す | 立地がよく、住める状態を保てる | 修繕費・管理の手間。カシニワなど活用先の検討 |
管理する | まだ手放せない/親が戻る可能性がある | 見回り・草木・郵便物などの負担が続く |
保留する | 家族の考えがそろっていない | 相続登記の期限や、傷みの進行には注意 |
この4つを、家族の感情と、実際にかかるお金・手間の両面から並べて見ることが、判断の出発点になります。
柏の場合、常磐線やつくばエクスプレスの駅に近い家と、バス便の郊外の家とでは、貸す・売るの現実性が大きく変わります。
だからこそ、一つの答えに飛びつく前に、選択肢を並べて比べることが役立ちます。

いま決めなくていいこと
相談窓口を使うとなると、「行く前に方針を決めておかないと」と身構えてしまう方がいます。
けれど、次のことは、いま決めなくて大丈夫です。
売るか、貸すか、残すかという最終的な出口は、今日決める必要はありません。
いくらで売るか、いつ売るかも、まだ考えなくてかまいません。
片付けをどこまで自分でやるかも、後回しにして大丈夫です。
いま決めておきたいのは、「誰が・何を・いつまでに確認するか」という次の一歩だけです。
方針そのものは、情報がそろってから、家族と一緒に決めれば十分間に合います。
相続登記の義務化と、柏の実家で確認しておくこと
柏の実家に関わるうえで、知っておきたい制度が相続登記の義務化です。
2024年(令和6年)4月1日から、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をすることが義務づけられました。
正当な理由なく手続きをしないと、10万円以下の過料の対象になる場合があります。
この義務化は過去の相続にもさかのぼって適用され、施行前に相続した不動産については、2027年(令和9年)3月31日までが手続きの期限とされています(参照元: 法務省「相続登記の申請義務化について」、2026年7月2日確認)。
柏の実家が、まだ親や祖父母の名義のままになっているケースは少なくありません。
名義がそのままだと、売ることも貸すことも進めづらくなります。
登記の具体的な手続きや期限の判断は、司法書士など専門家への確認が必要です。
柏市の空家相談員制度では、司法書士に相談できるため、名義や登記のことは、この制度の無料相談を入口に使うこともできます。
柏の実家を売るときの税金:3,000万円特別控除の要点
将来、柏の実家を売る選択をする場合に関係するのが、相続した空き家を売ったときの3,000万円特別控除です。
これは、一定の要件を満たすと、売却で得た利益(譲渡所得)から最高3,000万円を差し引ける特例です。
主な要件として、1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家であること、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、売却代金が1億円以下であることなどがあります。
相続人が3人以上の場合は、控除の上限が1人あたり2,000万円になります。
この特例の適用期間は、2027年(令和9年)12月31日までとされています(参照元: 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」、国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置」、いずれも2026年7月2日確認)。
要件は細かく、実際に使えるかどうかは家の状態や売り方によって変わります。
税金の判断は、必ず税理士や税務署への確認が必要です。
ここでは「柏の古い実家を売るなら、こういう控除の可能性がある」という程度に頭に入れておけば十分です。
家族に共有したい3点
ここまでの内容を、家族に伝えるときは、次の3点に絞ると話が進みやすくなります。
1つ目は、柏市には無料で使える公的な相談窓口(空家相談員・カシニワ)があり、売ると決めていなくても使えること。
2つ目は、まず家の名義・状態・家族の意向を確認する、という次の一歩だけを決めればよいこと。
3つ目は、相続登記には期限があるため、名義の確認だけは早めにしておきたいこと。
この3点をLINEやメモで共有しておくと、離れて暮らす兄弟とも同じ情報から話し始められます。
柏の地域事情:沿線と旧沼南地域で変わる判断
柏市は、同じ市内でも家の立地によって事情が大きく変わります。
常磐線の柏駅・北柏駅周辺や、つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス・柏たなか周辺は、住宅需要があり、貸す・売るの選択肢を取りやすいエリアです。
一方、旧沼南地域やバス便の郊外では、同じ柏市でも、買い手や借り手を見つけるのに時間がかかることがあります。
「柏だから価値がある」「郊外だから価値がない」と決めつけず、その家がどの立地にあるかで考えることが大切です。
常磐線沿線の実家について、駅からの距離で選択肢がどう変わるかは、常磐線沿線(松戸・柏・我孫子)の古い実家、駅距離で変わる選択肢でも整理しています。
相談前チェックリスト
柏市の窓口や、当室のような民間の相談に進む前に、次の項目を手元で確認しておくと、相談の時間を活かせます。
- 家の名義が誰になっているか(登記事項証明書で確認できる)
- 建物の築年数と、雨漏り・傾きなど気になる傷みの有無
- 前面道路の広さと、駅・バス停からのおおよその距離
- 兄弟姉妹や親が、家についてどう考えているか(温度感でよい)
- 固定資産税の納税通知書が手元にあるか
- 相談したいのが「登記・名義」なのか「家の価値」なのか「今後の進め方」なのか
すべてそろっていなくても大丈夫です。
「ここが分からない」ということ自体を持って相談するのも、立派な一歩です。
片付け前・相続前・家族未相談でも相談できます
最後に、よくためらわれる点をお伝えします。
柏の実家が、荷物でいっぱいで片付いていなくても相談できます。
相続がまだ始まっていなくても、親が元気なうちでも相談できます。
家族にまだ何も話していない段階でも相談できます。
「片付けてから」「相続が終わってから」「家族で話し合ってから」と待っているうちに、時間だけが過ぎてしまうことがよくあります。
柏市の公的な相談員・空き家バンクも、私たちのような地域の窓口も、そうした「まだ何も決まっていない」段階の相談を受けるためにあります。
柏市の公的窓口を使う前に、まずは今の状況だけを整理しておく。
その最初の整理を、親の家これから相談室でもお手伝いできます。
まとめ
柏市の空家相談員制度は、司法書士・建築士・宅地建物取引士に初回無料で相談できる公的な仕組みです。
空き家バンク「カシニワ」は、売るだけでなく、貸す・地域で活かすという出口も含めて情報をのせられる場です。
どちらも「売る前の整理」に使える窓口であり、片付け前でも相続前でも、家族に話す前でも使えます。
相談を活かすために、まず家の名義・状態・家族の意向という3つを確認しておくことをおすすめします。
相続登記の期限や税金の特例など、専門的な判断が必要な部分は、司法書士や税理士への確認を前提に進めてください。
柏の親の家について、どこから整理すればいいか迷っている方は、まず今の状況の整理から始めてみてください。
あわせて、柏の実家、売る前に確認したい3つのことや、東葛エリアの空き家、市ごとの補助金・解体助成・相談窓口まとめ、松戸・東葛で実家を相続したら、最初にやることもご覧ください。
松戸・東葛エリアの親の家の状況整理は、親の家これから相談室(松戸・東葛)で受け付けています。
家族に共有するなら、この3点だけ
この記事の要点は、次の3つです。
- いきなり売るかどうかを決める必要はない
- 片付け・相続・管理の順番を先に整理する
- 家族で話す前に、現状と選択肢をそろえると進めやすい
相談前に確認しておくとよいこと
よくある質問
Q.柏市の空家相談員には、費用はかかりますか?
Q.まだ売ると決めていなくても、相談員や空き家バンクは使えますか?
Q.相続の手続きが終わっていなくても相談できますか?
Q.柏市の空き家バンク「カシニワ」は、どこに申し込めばいいですか?
Q.片付けが終わっていない柏の実家でも相談できますか?
このような状態でも相談できます
運営について
親の家これから相談室は、株式会社ホームセレクションが運営しています。 親の家、実家、空き家について、売る前の状況整理からご相談いただけます。 ご相談内容に応じて、必要な専門家や連携先と一緒に整理します。
宅地建物取引業免許:東京都知事免許(5)第79988号
運営会社情報を見る松戸・東葛の親の家のことを、窓口で相談できます。
地域ごとの相場感、片付け前の状態、家族で話す前の確認点まで、売る前の状況整理から相談できます。
松戸・東葛の窓口に相談する売却前提なし。相談だけでも大丈夫です。
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