柏の実家、売る前に確認したい3つのこと
まず確認したいこと
すぐ売る必要はありません。まず名義・片付け・選択肢の3つを確認しましょう。
柏に実家がある方へ。売ると決める前に確認したい「名義と相続」「片付けと管理」「売る・貸す・保留の現実性」の3つを、柏市の公的データと相談制度とあわせて整理します。片付け前・相続前・家族未相談でも大丈夫です。
著者・編集
親の家これから相談室 編集部
確認
株式会社ホームセレクション(親の家・空き家相談窓口)
更新日
2026年6月14日
読了目安
約13分

まず確認すること
今の名義が誰になっているか
家族の中で誰が関わるか
片付け・管理・相続のどれが先か
今年も、柏の実家の固定資産税の納税通知書が届きました。
名義は親のまま。
封を開けて金額を確かめ、「そろそろ実家のことを考えないと」と思いながら、通知書をファイルに挟んで終わる。
そんな春を、もう何回か繰り返していないでしょうか。
「売るなら早いほうがいい」と聞くたびに少し焦るのに、何から手を付ければいいのか分からない。
不動産会社に連絡したら、そのまま売却の話が進んでしまいそうで怖い。
この記事は、そんな柏の実家を持つ方のために書いています。
先に結論をお伝えすると、いま売ると決める必要はありません。
その代わり、売る・売らないを決める前に確認しておきたいことが3つあります。
この記事でわかることは、次の3つです。
- 柏の実家を売る前に確認したい3つのこと(名義・片付け・選択肢の現実性)
- 公的データで見る柏の住宅事情と、数字の読み方
- 柏市の公的相談窓口と民間相談の違い、使い分けの順番
この記事の結論
柏の実家は、売ると決める前に「名義と相続」「片付けと管理」「売る・貸す・保留の現実性」の3つを確認しておくと、後の判断がぐっと楽になります。
この3つの確認は、売却の準備ではありません。
売る・貸す・管理する・保留するという選択肢を、自分と家族が選べる状態になるための整理です。
逆に、この3つが分からないまま査定や売却の話に進むと、途中で止まったり、家族の合意が崩れたりしやすくなります。
確認の途中で分からないことが出てきても大丈夫です。
分からないことが何かをはっきりさせるだけでも、相談の質は大きく変わります。

なぜ柏の実家は「売る」の手前で止まりやすいのか
柏に実家がある方の相談には、共通する止まり方があります。
売る気がないわけではないのに、最初の一歩が踏み出せないという止まり方です。
名義・荷物・警戒という3つのブレーキ
1つ目のブレーキは、名義です。
登記が親や祖父母の名義のままだと、「これは自分が動かしていい話なのか」と感じて、手が止まります。
2つ目のブレーキは、荷物です。
家具も食器も思い出の品もそのままの家を前にすると、「片付けてからでないと相談できない」と思い込みやすくなります。
3つ目のブレーキは、不動産会社への警戒です。
「無料査定」と書かれた窓口に連絡すると、売却の営業が始まりそうで怖い。
その警戒心は、決して考えすぎではありません。
だからこそ、いきなり査定ではなく、確認と整理から始める順番をおすすめしています。
同じように迷っている方に向けて、親の家を売るか残すか迷ったときの考え方も別の記事で整理しています。
確認①:名義と相続はどうなっているか
最初に確認したいのは、実家の名義です。
不動産は、登記簿に記載された所有者でなければ、売ることも貸すことも原則できません。
「名義は親だと思っていたら、亡くなった祖父のままだった」というケースは、実際に少なくありません。
名義が古い世代のまま放置されていると、時間の経過とともに相続人が増え、全員の合意を取ること自体が大仕事になっていきます。
東葛エリアの相談でも、祖父母の代の名義のまま数十年が経ち、気づいたときには相続人が数人どころではなくなっていた、という例があります。
早く確認すること自体が、家族への思いやりになります。
登記を確認する小さな一歩
名義の確認は、法務局で登記事項証明書を取得すればできます。
1通数百円の手数料で、誰でも取得できます(参照元: 法務省「登記手数料について」、2026年6月10日確認)。
固定資産税の納税通知書に同封される課税明細書でも、課税上の所有者や物件の概要を確認できます。
手元の書類から始められる確認なので、柏の実家まで行く必要はありません。

相続登記の義務化が始まっています
2024年4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。
相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になる場合があります。
2024年4月より前に相続した分も対象で、こちらは2027年3月31日までに申請が必要です(参照元: 法務省「相続登記の申請義務化について」、2026年6月10日確認)。
期限がある話ではありますが、慌てて売却を決める話ではありません。
登記や相続の個別の判断は、司法書士などの専門家確認が必要です。
相続が起きる前の段階でできる確認は、相続前に親の家のことで確認しておきたいことで詳しく整理しています。
確認②:片付けと管理はどこまで進んでいるか
2つ目の確認は、家の中と管理の状態です。
といっても、片付けを終わらせる必要はまったくありません。
確認したいのは、「どんな状態か」を把握することだけです。
片付け前でも確認できること
具体的には、次のようなことです。
- 権利証(登記識別情報)、通帳、保険証券などの重要書類がどこにあるか
- 仏壇、写真、形見など、扱いを慎重にしたいものが何か
- 誰かが定期的に風を通しているか、郵便物は誰が確認しているか
- 雨漏りやシロアリなど、建物の傷みのサインがあるか
全部すぐに分からなくても構いません。
「重要書類の場所が分からない」と分かることも、立派な確認の成果です。
実は、片付けを先に終わらせてから相談するより、片付けの前に家の出口(売る・貸す・保留)の方向性を整理したほうが、結果的に無駄がないケースが多くあります。
たとえば、建物ごと活用する選択肢が残るなら、急いで全部を処分する必要はなかった、ということが起こり得るからです。
このあたりは片付けが終わらない実家でも相談してよい理由で詳しくお伝えしています。
確認③:売る・貸す・保留は、柏でどれくらい現実的か
3つ目の確認は、選択肢の現実性です。
売る・貸す・保留のどれが正解かは、家の場所と状態、そして家族の事情によって変わります。
ここでは、柏の実家を想定して、それぞれの選択肢を見るときの目の付けどころを整理します。
売る場合に見ておきたいこと
柏市は、つくばエクスプレス沿線の柏の葉キャンパス周辺から、高度成長期に開発された住宅地まで、エリアによって住宅事情が大きく異なります。
同じ柏市内でも、駅からの距離、接している道路の幅、築年数によって、買い手の付き方は変わります。
柏市の調査では、市内の住宅のうち幅4メートル未満の道路にしか接していない住宅(未接道含む)が32.1%を占めるというデータがあります(2018年時点。参照元: 柏市「柏市を取り巻く住宅・住環境の状況」、2026年6月10日確認)。
接道の状況によっては建て替えに制限が出る場合があり、売り方の戦略が変わります。
ただし、接道や再建築の可否は個別の確認が必要な論点なので、自己判断で「うちは売れない」と決めつけないことが大切です。
なお、相続した空き家を売る場合、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円(相続人が3人以上の場合は2,000万円)を控除できる特例があり、適用期限は2027年12月31日までの譲渡とされています。
対象は1981年5月31日以前に建築された家屋などの要件があり、適用の可否は税理士や税務署への確認が必要です(参照元: 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」、2026年6月10日確認)。
貸す場合に見ておきたいこと
柏市の空き家の内訳を見ると、賃貸用の住宅が58.7%と6割近くを占めています(2018年時点。出典は後掲の表のとおり)。
賃貸住宅の市場が大きい街である一方、個人の古い戸建てを貸すには、修繕費用、貸した後の管理、戻ってきてほしいときに戻らない可能性といった検討事項があります。
「貸せば家賃が入る」という入口だけで決めず、初期費用と手間まで並べて比較することをおすすめします。
保留する場合に見ておきたいこと
保留は、逃げではなく立派な選択肢です。
ただし、保留には条件があります。
誰が管理するのか、費用は誰が負担するのか、いつまで保留するのかを決めた保留と、何も決めない先送りは、まったく別物です。
管理の負担が遠方から通う形になりそうな方は、遠方の実家を管理しきれないときの判断順も参考になるはずです。
データで見る柏の住宅事情
ここで、柏の実家を取り巻く状況を、公的データで確認しておきます。
全国の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%と、いずれも過去最多を更新しました(2023年10月1日時点。参照元: 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」、2026年6月10日確認)。
千葉県の空き家は39万4,100戸で空き家率12.3%、うち賃貸・売却用などを除いた「その他の空き家」は15万8,500戸と、前回調査から9.8%増えています(参照元: 千葉県統計課「令和5年住宅・土地統計調査千葉県確報集計結果の概要」、2026年6月10日確認)。
柏市の空き家率は9.9%で、全国や千葉県平均より低い水準です(2023年時点)。
項目 | 数値 | 時点 |
|---|---|---|
全国の空き家数・空き家率 | 900万2千戸・13.8% | 2023年 |
千葉県の空き家数・空き家率 | 39万4,100戸・12.3% | 2023年 |
柏市の空き家率 | 9.9% | 2023年 |
柏市の空き家数・空き家率 | 22,860戸・11.0% | 2018年 |
柏市の空き家の内訳 | 賃貸用58.7%・その他の住宅28.9% | 2018年 |
柏市の持ち家(一戸建) | 98,170戸(住宅全体の53.5%) | 2018年 |
出典: 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」/千葉県統計課「令和5年住宅・土地統計調査千葉県確報集計結果の概要」/柏市「柏市を取り巻く住宅・住環境の状況」(いずれも2026年6月10日確認。柏市の2018年の数値は平成30年住宅・土地統計調査に基づく市の資料で、年次が古い点に注意してください)
この数字をどう読むか
柏市の空き家率が低いのは、安心材料です。
ただ、安心して終わりにできる数字でもありません。
柏市の空き家のうち、賃貸にも売却にも出ていない「その他の住宅」の割合は、2008年の23.9%から2018年には28.9%へと、10年間で最も高い水準になりました(参照元: 前掲の柏市資料)。
「その他の住宅」には、相続後に使い道が決まらないまま置かれている家が多く含まれるとされます。
また、柏市の住宅は1981年から1990年に建てられたものが最も多く、2026年のいま、築36年から45年を迎えています(参照元: 前掲の柏市資料)。
市の推計では、柏市の人口は2025年の433,481人をピークに、緩やかな減少局面に入ると見込まれていました(参照元: 前掲の柏市資料に掲載の柏市将来人口推計。あくまで推計値です)。
つまり柏は、「いま困っていないが、これから親世代の家が一斉に世代交代を迎える」街だと読めます。
問題が起きてから動くのではなく、選択肢が多いうちに確認しておく価値が高い地域です。
公的相談と民間相談、どう使い分けるか
柏市には、空き家の相談に使える公的な制度があります。
柏市空家相談員制度といい、市と協定を結んだ団体に所属する司法書士、建築士、宅地建物取引士に無料で相談できる制度です。
相談時間は司法書士が30分、建築士と宅地建物取引士が1時間で、無料相談は1回のみとされています(参照元: 柏市「柏市空家相談員制度」、2026年6月10日確認)。
こうした公的窓口と、私たちのような民間の相談窓口は、役割が異なります。
柏市空家相談員制度(公的) | 民間の相談窓口 | |
|---|---|---|
相談相手 | 市と協定した司法書士・建築士・宅地建物取引士 | 窓口により様々(不動産会社、買取会社など) |
費用・回数 | 無料(司法書士30分、建築士・宅建士1時間、1回のみ) | 窓口による(当相談室は無料・回数制限なし) |
向いているケース | 登記・建物・取引など、聞きたい論点がはっきりしている | 何から考えればいいか、論点がまだ固まっていない |
注意点 | 相談後に業務を依頼する場合は有料 | 窓口によっては売却前提の提案になることがある |
出典: 柏市「柏市空家相談員制度」(2026年6月10日確認)。民間の欄は一般的な傾向の整理です。
おすすめの順番は、まず自分の状況をざっくり整理してから、論点に合った窓口に行くことです。
論点が固まる前に専門窓口に行くと、貴重な無料相談の時間を「何を聞けばいいか」の整理で使い切ってしまいがちだからです。
私たち親の家これから相談室は、売却前提なしで、名義・片付け・管理・売る・貸す・保留の論点をまたいで整理する、入口の窓口です。
整理の結果、司法書士や税理士、市の窓口につないだほうがよい場合は、その順番も含めてお伝えします。

いま決めなくていいこと
3つの確認を進めるあいだ、決めなくていいことも整理しておきます。
- 売るか売らないか(確認が終わる前に決める必要はありません)
- 査定を依頼するかどうか(相場を知りたいだけなら、その旨を伝えれば十分です)
- 片付けをいつまでに終わらせるか(出口の方向性が先です)
- 兄弟姉妹の結論をそろえること(まずは同じ情報を見ることから)
- 相続や税金の手続きの細部(専門家確認が必要な領域です)
決めることを減らすと、確認は意外なほど軽くなります。
家族に共有するなら、この3点だけ
確認した内容を家族に伝えるときは、結論を迫る形にしないのがコツです。
次の3点だけ共有してみてください。
- 柏の実家は、売ると決める前に「名義・片付け・選択肢」の3つを確認する段階にある
- 名義(登記)の確認は書類で進められて、実家に行かなくてもできる
- 柏市の無料相談制度も、売却前提なしの民間相談もあり、いきなり売却の話にはならない
「売るかどうか」ではなく「何が分かっていて、何が分かっていないか」を共有の主語にすると、家族の話し合いは進みやすくなります。
このような状態でも相談できます
当相談室には、きれいに整った状態で相談に来る方は、ほとんどいません。
- 名義が親や祖父母のままで、相続の話がまだ
- 荷物が多く、片付けはこれから
- 家族や兄弟姉妹には、まだ話していない
- 売るかどうか、まったく決めていない
- 柏の実家に、しばらく行けていない
- 固定資産税を払い続けることに、漠然とした疑問がある
どれか1つでも当てはまれば、それは相談を始めていい状態です。
松戸・東葛エリアの相談窓口の詳細は松戸・東葛の親の家相談についてをご覧ください。
相談前チェックリスト
相談の前に、分かる範囲で次の項目をメモしておくと、整理が早く進みます。
- 実家の所在地(柏市内のどのあたりか、最寄り駅とおおよその距離)
- 固定資産税の納税通知書が手元にあるか、誰が払っているか
- 登記の名義を確認したことがあるか
- 親は今どこで暮らしているか(実家・施設・同居など)
- 家の傷み(雨漏り・外壁・庭木)で気になっていること
- 関わる可能性のある家族・相続人は誰か
- 売る・貸す・保留のうち、気になっている順番
全部埋まらなくて大丈夫です。
空欄こそが、相談で整理すべきポイントを教えてくれます。
まとめ|売ると決める前に、「選べる状態」へ
柏の実家を売る前に確認したいことは、名義と相続、片付けと管理、そして売る・貸す・保留の現実性の3つです。
この3つの確認は、売却への一本道ではありません。
むしろ、売る以外の道も含めて、家族が納得して選べる状態をつくるための整理です。
柏市の空き家率は9.9%と低めですが、使い道の決まらない空き家は増え、住宅の多くが築40年前後を迎えています。
いま困っていないことと、いま確認しなくていいことは、別の話です。
納税通知書をファイルに挟んで終わりにする前に、今年は1つだけ確認を進めてみませんか。
売ると決める前に、柏の実家の「確認できていること」と「まだ分からないこと」を分けてみませんか。
今すぐ売る必要はありません。
片付け前、相続前、家族未相談でも大丈夫です。
家族に共有するなら、この3点だけ
この記事の要点は、次の3つです。
- いきなり売るかどうかを決める必要はない
- 片付け・相続・管理の順番を先に整理する
- 家族で話す前に、現状と選択肢をそろえると進めやすい
相談前に確認しておくとよいこと
よくある質問
Q.柏の実家、売ると決めていなくても相談できますか?
Q.名義が親や祖父母のままでも売却の相談はできますか?
Q.柏市の空家相談員制度と民間の相談はどう違いますか?
Q.荷物が残ったままの柏の実家でも相談できますか?
Q.実家が柏市外(松戸・流山など)でも相談できますか?
このような状態でも相談できます
運営について
親の家これから相談室は、株式会社ホームセレクションが運営しています。 親の家、実家、空き家について、売る前の状況整理からご相談いただけます。 ご相談内容に応じて、必要な専門家や連携先と一緒に整理します。
宅地建物取引業免許:東京都知事免許(5)第79988号
運営会社情報を見る親の家のこと、まだ決めきれなくても大丈夫です。
売るかどうかを今決める必要はありません。片付け、相続、家族相談、管理負担のことから、まず今の状況を整理できます。
30秒で親の家の状況整理売却前提なし。相談だけでも大丈夫です。
関連ガイド

親の家を売るか残すか迷ったときの考え方
親の家を売るか残すか迷ったら、売る・貸す・管理・保留の四択で比較を。気持ちとお金の論点の分け方、維持費の確認方法、相続登記義務化や3,000万円特別控除の期限まで公的情報に基づき解説。今決めなくて大丈夫です。
公開日:2026年6月8日
更新日:2026年6月15日

相続前に親の家のことで確認しておきたいこと
相続前でも、親の家について確認できることはあります。名義の確認方法、相続登記義務化(2027年3月期限)、空き家の3,000万円特別控除の要件まで、いま整理すべきことを公的情報に基づいて解説。売るかどうかは決めなくて大丈夫です。
公開日:2026年6月7日
更新日:2026年6月15日

片付けが終わらない実家でも相談してよい理由
荷物が多く片付けが終わらない実家でも相談できます。片付け前に家の出口(売る・貸す・管理・保留)の方向性を整理すると、二度手間や費用を減らせます。重要書類の扱いや進める順番、相続登記の注意点まで解説します。
公開日:2026年6月9日
更新日:2026年6月15日