松戸・小金原と常盤平、団地の街に実家がある人が知っておきたいこと
まず確認したいこと
団地の街も、実家がどのタイプかで対応は変わります。
松戸市の小金原・常盤平エリアに実家がある方へ。このエリアはUR賃貸住宅・分譲マンション・戸建てが同じ区画整理エリアに混在する「団地の街」です。まず確認したいのは売却の判断ではなく、実家がどの建物タイプかということ。地区の高齢化データや、2025年に動き出したまちづくりの動きもふまえて整理します。
著者・編集
親の家これから相談室 編集部
確認
株式会社ホームセレクション(親の家・空き家相談窓口)
更新日
2026年7月17日
読了目安
約14分

まず確認すること
今の名義が誰になっているか
家族の中で誰が関わるか
片付け・管理・相続のどれが先か
北小金駅から歩いて数分、住宅地の角を曲がると、色あせた壁画の描かれた古い棟が並ぶ一角に出ます。
常盤平駅の側なら、桜並木の向こうに「〇号棟」とだけ書かれた掲示板と、同じ形をした窓枠が延々と続く景色があります。
松戸市の小金原・常盤平エリアで育った方、あるいは親がこのエリアに家を持っている方なら、一度は目にした風景ではないでしょうか。
「実家のあるあの団地の街、最近やけに年配の人ばかりだと感じる」。
「でも自分の実家は団地そのものではなく、団地のそばの戸建てだから、話が違うのかもしれない」。
そう感じている方に向けて、この記事を書いています。
先にお伝えすると、今すぐ売却を判断する必要はありません。
まずは、実家が「どういう建物なのか」を確認することから始めれば大丈夫です。
読み終えたあとに分かることは、次の3つです。
- 小金原・常盤平エリアが「一つの団地」ではなく「団地の街」である理由
- 実家がUR賃貸・分譲・戸建てのどれかで、相続や売却の対応がどう変わるか
- このエリアで進む高齢化とまちづくりの動きを踏まえた、売る・貸す・管理・保留の考え方
この記事の結論
結論から言うと、小金原・常盤平エリアに実家がある場合、最初にやることは売却の判断ではありません。
実家の建物が「UR賃貸住宅」「分譲マンションや分譲戸建て」「一般の戸建て」のどれに当たるかを確認することです。
同じ「団地」という呼び名で語られるエリアでも、この3つでは相続できるかどうか、売却の進め方そのものが大きく変わります。
そのうえで、このエリア全体で進む高齢化やまちづくりの動きが、実家の資産性にどう影響しそうかを、あわてず整理していきます。
売る・貸す・管理・保留のどれを選ぶかは、その先の話です。
小金原・常盤平は「ひとつの団地」ではなく「団地の街」
小金原・常盤平と聞くと、多くの方はUR都市機構(旧・日本住宅公団)が昭和30〜40年代に建てた集合住宅の一団をイメージすると思います。
常盤平団地は1960年(昭和35年)4月に入居が始まった、日本を代表する初期の公団住宅地の一つです。
小金原団地は1969年(昭和44年)に竣工し、北小金駅周辺に76棟規模で広がる住宅群として知られています(参照元: UR都市機構「小金原 団地のくらし」、2026年7月15日確認)。
ただし、実際にこのエリアを歩くと分かるのは、UR賃貸住宅の棟だけがこのまちを作っているわけではないという点です。
同じ時期の区画整理によって、分譲マンションや、庭付きの戸建て住宅地が、UR賃貸の棟と隣り合って広がっています。
つまり「小金原・常盤平に実家がある」という一言の中に、UR賃貸住宅の名義人だった親、分譲マンションを所有していた親、区画整理後の土地に建てた戸建てに住んでいた親、という3種類がまざっているということです。
この違いを最初に整理しないまま「団地だから」で話を進めると、そもそも相続や売却の対象になるのかどうかというところで足踏みしてしまいます。
なぜこのエリアの実家は話が止まりやすいのか
小金原・常盤平エリアで実家の話が止まりやすい理由は、一般的な「片付けが進まない」「家族で話せない」という悩みだけではありません。
このエリアならではの事情が、もう一つ重なっています。
一つ目は、建物の種類によって「そもそも自分の実家は相続や売却の対象になるのか」という前提がはっきりしないことです。
UR賃貸住宅は借家契約であり、名義人が亡くなったからといって、相続人が自動的に住み続けられたり、売却できたりするものではありません。
そのため「実家は団地の一室だった」という記憶だけでは、次に何を確認すればいいのか見えにくくなります。
二つ目は、まち全体が同じ時期に一斉に高齢化しているという事情です。
小金原・常盤平は、昭和30〜40年代の区画整理によって一体的に開発された地域です。
入居した世代がそのまま歳を重ねてきたため、実家の周囲でも同じように高齢の住民が増え、空き家や空室が目立ち始めています。
三つ目は、UR団地そのものの再生・建て替え計画という、街全体の時間軸の変化が動いていることです。
常盤平では2025年(令和7年)2月に、松戸市とUR都市機構が「常盤平地域のまちづくりの連携及び協力に関する覚書」を締結し、駅周辺の再生に向けた検討が始まっています(参照元: 松戸市「常盤平地域のまちづくり方針を策定しました」、2026年7月15日確認)。
自分の実家が団地そのものでなくても、街全体の再生計画は、資産性や将来の暮らしやすさに関わってくる話です。
これらが重なって、「何から調べればいいのか分からない」という足踏みにつながりやすいのだと考えられます。
まず確認すること3つ
小金原・常盤平エリアに実家がある場合、最初に確認しておきたいことは次の3つです。

①実家の建物が「UR賃貸」「分譲」「戸建て」のどれか
最初に確認したいのが、実家の建物の種類です。
UR賃貸住宅であれば、相続の対象になるのは建物や土地ではなく、賃貸借契約に関する地位や敷金などにとどまります。
名義人であった親が亡くなった場合、同居していた親族が引き続き住めるかどうかは、URの承継のルールに沿って個別に確認する必要があります。
分譲マンションであれば、区分所有権として相続の対象になり、管理組合の状況や修繕積立金、管理費の滞納の有無なども確認事項に加わります。
一般の戸建てであれば、土地と建物の両方が相続の対象になり、次に説明する接道の状況が特に重要になります。
「団地」という一言でまとめず、まずは登記や契約書、固定資産税の納税通知書などから、実家がどの種類にあたるのかを確認してみてください。
②区画整理由来の接道や敷地の状況
次に確認したいのが、実家が建つ土地の接道状況です。
小金原・常盤平エリアは、昭和30〜40年代の土地区画整理事業によって、道路や敷地の形が計画的に整えられた地域です。
整った街並みである一方、当時の基準で作られた道路の中には、現在の建築基準法の接道義務を満たしにくいものも含まれている場合があります。
建て替えや売却を考える段階になって初めて、前面道路の幅や種類を確認する方が多いのが実情です。
再建築の可否に関わる論点のため、気になる場合は役所の窓口で確認できます。
詳しくは、再建築不可かもしれない実家は、どう確認するべきかもあわせてご覧ください。
③エリア全体の再生計画が実家にどう影響するか
3つ目は、小金原・常盤平エリア全体で動いているまちづくりの計画が、実家にどう関係しそうかです。
UR団地そのものではなくても、駅周辺の再編やインフラ整備が進めば、周辺の戸建てや分譲マンションの暮らしやすさにも影響します。
逆に言えば、いま慌てて結論を出さなくても、街の再生計画の進み方を見ながら判断できる時間があるとも言えます。
この3つを確認したうえで、次の章で紹介する数字も参考にしながら、今後の選択肢を考えていきます。
小金原・常盤平エリアの今を、数字で見る
判断を急ぐ前に、小金原・常盤平エリアがいまどんな状況にあるのか、公的な数字で確認しておきます。
松戸市が公表している住民基本台帳のデータ(令和8年3月末現在)をもとに、常盤平1〜7丁目、小金原1〜9丁目それぞれの人口と高齢化率を集計すると、次のようになります。
地域 | 人口 | 65歳以上人口 | 高齢化率 |
|---|---|---|---|
常盤平1〜7丁目 | 21,306人 | 6,649人 | 31.2% |
小金原1〜9丁目 | 20,764人 | 6,974人 | 33.6% |
松戸市全体 | 502,374人 | 128,992人 | 25.7% |
出典: 松戸市「住民基本台帳人口(町丁字別、年齢別)」年齢階層別人口統計表(令和8年3月末現在)をもとに当室で集計、2026年7月15日確認。
どちらのエリアも、松戸市全体の高齢化率25.7%を5〜8ポイント上回っています。
なお、常盤平団地の自治会が2010年(平成22年)に公表した資料では、当時の団地管理戸数5,359戸・人口約9,000人に対し、高齢化率38.4%という数字が示されています(参照元: 財団法人あしたの日本を創る協会「常盤平団地における『地域づくり』」(常盤平団地自治会)、2026年7月15日確認)。
この38.4%という数字はUR賃貸棟だけを対象にした2010年時点の古い数字であり、上の表にある町丁字全体の最新の数字とは対象範囲も年次も異なります。
単純に比較はできませんが、いずれの数字からも、このエリアで高齢化が長期にわたって進んできたことがうかがえます。
あわせて、松戸市全体の空き家の状況も押さえておきます。
松戸市の空き家数は3万7,370戸、空き家率は14.0%で、千葉県内でも高い水準にあります(参照元: 千葉県「令和5年住宅・土地統計調査 確報集計結果」、2026年7月15日確認)。
全国の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最多です(参照元: 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」、2026年7月15日確認)。
松戸市の空き家対策や補助金制度の詳細は、松戸市の空き家、解体・ブロック塀補助と無料相談の使い方で個別に整理しています。
常盤平では「まちの再生」が動き出している
常盤平エリアでは、高齢化と老朽化への対応として、行政とURが連携したまちづくりが具体的に動き始めています。

2025年(令和7年)2月18日、松戸市とUR都市機構は「常盤平地域のまちづくりの連携及び協力に関する覚書」に調印しました。
連携事項には、常盤平駅周辺地域の公共公益施設やインフラの再編整備、UR賃貸住宅ストックの再生の推進、まちづくりの機運醸成が含まれています(参照元: UR都市機構「松戸市と『常盤平地域のまちづくりの連携及び協力に関する覚書』に調印」、2026年7月15日確認)。
覚書とあわせて、松戸市は「常盤平地域のまちづくり方針」を策定し、多様な世帯が安心して暮らせる住環境の誘導や、みどりを活かした街づくりといった方向性を示しています(参照元: 松戸市「常盤平地域のまちづくり方針を策定しました」、2026年7月15日確認)。
この方針はUR団地そのものの建て替えを即座に決めるものではなく、地域の声を聞きながら検討を進める段階のものです。
実家が団地の外にある戸建てや分譲マンションであっても、駅周辺の再編が進めば、生活インフラや資産性に影響が及ぶ可能性があります。
いま結論を急ぐ必要はありませんが、こうした街全体の動きを知っておくことは、今後の判断材料の一つになります。
今すぐ決めなくていいこと
ここまで確認事項が多いと感じた方もいるかもしれません。
ただ、今の段階で決めなくていいことのほうが、実は多くあります。
- 実家を売るかどうか
- いつ動くか、いつ相談するか
- UR団地の再生計画にどう向き合うか
- 分譲マンションの管理組合の議論にどこまで関わるか
- 家の中の荷物をすべて片付けること
- 家族全員の結論を先にそろえること
これらは、実家の建物の種類と、周辺エリアの状況が分かってから考えても遅くありません。
今やることは、結論を出すことではなく、確認できる材料をそろえることです。
売る・貸す・管理・保留をどう考えるか
実家の建物の種類が分かったら、売る・貸す・管理する・保留するの4つを並べて考えます。
建物の種類によって、それぞれの選択肢の現実味が変わってくるのが、このエリアの特徴です。

建物の種類 | 確認しておきたいこと | 選択肢の考え方 |
|---|---|---|
UR賃貸住宅 | 賃貸借契約の名義、承継の可否、敷金の扱い | 「売る」対象にはならないことが多く、契約の整理と退去・承継の判断が中心になる |
分譲マンション | 管理組合の状況、修繕積立金、管理費の滞納有無 | 売る・貸すのどちらも選択肢になり得るが、管理組合の状況次第で条件が変わる |
一般の戸建て | 接道の状況、名義、建物の傷み具合 | 売る・貸す・管理・保留のすべてが選択肢になり、接道次第で再建築の可否が変わる |
建物の種類ごとの前提を整理したうえで、あらためて売る・貸す・管理・保留を比較すると、次のようになります。
選択肢 | 向いていそうなケース | このエリアで注意したいこと |
|---|---|---|
売る | 住む予定がなく、管理の負担を減らしたい | 建物の種類、接道の状況、築年数を先に確認する |
貸す | 立地を活かしたいが、所有は続けたい | 分譲マンションは管理規約、戸建ては修繕状況を確認する |
管理する | 家族の誰かが将来使う可能性がある | 誰が定期的に見に行くか、費用と手間の見通しを立てる |
保留する | 建物の種類や家族の意向がまだ整理できていない | まちづくりの進み方を見ながら、期限を決めて考え直す |
親の家を売るか残すか、より一般的な考え方から整理したい方は、親の家を売るか残すか迷ったときの考え方もあわせてご覧ください。
家族に共有するなら、この3点だけ
小金原・常盤平エリアの実家について家族に話すときは、次の3点にしぼると伝わりやすくなります。
- 実家がUR賃貸・分譲・戸建てのどれかによって、対応がまったく違うこと
- いま結論を出す必要はなく、まずは建物の種類と接道の状況を確認したいこと
- エリア全体で高齢化とまちづくりの動きが進んでおり、今後の判断材料になること
この3点なら、「売る話」ではなく「確認の話」として、角を立てずに切り出しやすくなります。
家族に話す前に自分の頭を整理したい方は、家族に話す前に整理したいこと|親の家の話を始める前の下準備も参考になります。
このような状態でも相談できます
「実家が団地なのか分譲なのか戸建てなのかも、正直あいまい」という状態でも、相談していただいて大丈夫です。
- 実家がUR賃貸なのか分譲なのか、はっきり分かっていない
- 片付けがまったく進んでいない
- 相続の手続きがまだ始まっていない
- 家族にまだ何も話していない
- 売るかどうか、自分でも決めかねている
- まちづくりの計画がどう影響するか、判断がつかない
相談したからといって、売却の方向に話を進めることはありません。
建物の種類の確認から、家族への共有材料づくりまで、状況に合わせて一緒に整理します。
相談前チェックリスト
相談する前に、分かる範囲で次の項目を整理しておくと、話がスムーズになります。
すべて埋まっていなくても問題ありません。
- 実家の所在地(小金原・常盤平のどのあたりか)
- 実家がUR賃貸か、分譲マンションか、一般の戸建てか
- 登記や契約の名義が誰になっているか
- 親がいま住んでいるか、施設や別の場所に移っているか
- 建物のおおよその築年数
- 家族や親族で、この件に関わりそうな人が誰か
- 片付けの進み具合
- 売る・貸す・管理・保留のうち、気になっているもの
まとめ
小金原・常盤平エリアは、UR賃貸住宅の棟だけでなく、分譲マンションや戸建て住宅地が同じ区画整理エリアに混在する「団地の街」です。
このエリアに実家がある場合、最初に確認したいのは売却の可否ではなく、実家がUR賃貸・分譲・戸建てのどれにあたるかです。
常盤平1〜7丁目で高齢化率31.2%、小金原1〜9丁目で33.6%と、松戸市全体の25.7%を上回る水準にあります。
あわせて2025年からは、松戸市とURによる駅周辺のまちづくりも動き始めています。
建物の種類とエリア全体の動きを踏まえたうえで、売る・貸す・管理・保留を、急がずに並べて考えれば十分です。
なお、相続・登記・税務、UR賃貸の契約承継に関する個別の判断は、司法書士・税理士・UR都市機構など、それぞれの専門窓口への確認が必要です。
今すぐ売る必要はありません。
まずは30秒で、親の家の状況を整理してみませんか。
団地の街の変化を見届ける前に、実家の状況を整理する。
片付け前、相続前、家族未相談でも大丈夫です。
松戸・東葛エリアの相談については、松戸・東葛の親の家相談もあわせてご覧ください。
ほかのテーマも見たい方は、親の家の相談ガイド一覧からどうぞ。
家族に共有するなら、この3点だけ
この記事の要点は、次の3つです。
- いきなり売るかどうかを決める必要はない
- 片付け・相続・管理の順番を先に整理する
- 家族で話す前に、現状と選択肢をそろえると進めやすい
相談前に確認しておくとよいこと
よくある質問
Q.実家がUR賃貸住宅の常盤平団地・小金原団地にある場合、相続や売却の相談はできますか?
Q.小金原・常盤平の分譲マンションタイプの実家は、戸建てと同じように売却相談できますか?
Q.片付け前でも相談できますか?
Q.家族にまだ話していなくても相談できますか?
Q.常盤平のまちづくりの計画は、実家の売却にどう影響しますか?
このような状態でも相談できます
運営について
親の家これから相談室は、株式会社ホームセレクションが運営しています。 親の家、実家、空き家について、今の状況からお気軽にご相談いただけます。 ご相談内容に応じて、必要な専門家や連携先と一緒に整理します。
宅地建物取引業免許:東京都知事免許(5)第79988号
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地域ごとの相場感、片付け前の状態、家族で話す前の確認点まで、今の状況からお気軽に相談できます。
松戸・東葛の窓口に相談する何も決まっていない段階でも、相談だけでも大丈夫です。
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